アトリエCOMの考え

はじめに

絵は、描く道具をどんな方法であれ使うことが出来れば誰にでも描くことが出来ます。決して難しいものではないのです。

しかし、ひとたび絵筆をとると様々なことを考えてしまうもの。“実物そっくりに描かなくては”、“こんな色じゃおかしいかな”…等々よけいなことが頭をよぎります。それでは自由な表現は出来ません。絵を描くことは、大げさに言うなら自己との対話です。出来上がった絵は、その人そのもの―性格やそのときの精神状態―を表しているものなのです。したがって絵を描くことの目的・評価は“うまい、へた”や“成功、失敗”ではなく、“自分なりに精一杯描けたか否か”、“自分を表現できたか否か”に尽きるように思います。

よけいなことに惑わされず対象とじっくり向き合い、自己と向き合えたなら、その人だけの世界を描ききることができることでしょう。

絵を描くという基本的な表現手法を、より身近に感じられたらと思います。

ものを見る目、感じる心をたいせつに

アトリエでは絵画・工作にかかわらず、制作にとりかかる前にみんなでテーマについて話し合いをします。

まず、おたがいの意見の多様さに驚くことでしょう。そして、それぞれのものの見方・感じ方を認め、違いを受け入れることで、より自分の感性を大切にすることが出来ます。

話し合いは時に授業時間いっぱいかかることもありますが、たくさん意見が出たときほどよい作品が生まれるようです。

手ごたえのある課題

「絵と工作」=「平面と立体」をやることにより感性を両面から刺激していきます。どの課題も簡単なものはありません。簡単でないからこそ、出来上がったときの喜びは大きいのです。

それぞれのペースで

忙しいこの社会において子供も例外ではありません。せめて絵を描くとき・ものをつくるときは、自分のペースでやりたいものです。アトリエでは自分のペースで進められることが大切と考えます。納得のいくまで課題にとりくみましょう。仕上がるまで待ちます。

少人数制

一人ひとりの良さをじっくり引き出し、ていねいに育んでいきます。

いい時間を過ごそう

頭を使い、心を使い、手を使って創造する時間をたのしみましょう。アトリエCOMでいい時間を過ごしてください。

アトリエCOMの歩み

1977年9月 絵画工作教室アトリエCOM誕生

初期のアトリエ風景。セピア色な一枚。

旧アトリエでの風景。

四坪の狭いスペースで不十分な設備のなか、子供と絵を描くたのしさ・喜びを分かち合いたいとのおもいではじめる。記念すべき第1回目の課題はパステルによる「自画像」。残暑の中、汗をかきながら与えられた鏡とにらめっこしていた幼稚園児7名の幼い顔が懐かしく思い出される。ちなみに、「自画像」はその後のアトリエCOMの課題として定着。毎年4月に新たな気持ちで自己と向き合うことになる。

1978年4月 クラスの増設

ひとクラスでスタートしたアトリエCOMは小学生も交えて週2日の4クラスになる。

1982年5月 「有限会社アトリエ・こむ」となる

絵画工作教室は従来通り“アトリエCOM”の名称を使用。

1985年4月 週3日の7クラスに

1991年4月 週4日の9クラスに

1994年4月 週5日の12クラスに

幼稚園児、小学生がそれぞれ成長し中学生、高校生になるにつれ、もっと長く集中的に作品に取り組みたいとの希望が出るようになり、3~5時間クラスを増設。アトリエCOMで育ってきた生徒の中に美大進学を希望する者が出てきたため、受験指導も行うようになる。

1996年5月 新アトリエに移動

旧アトリエの倍以上のスペースに生徒たちも大喜び。大きな作品にも挑戦できるようになり表現の幅が広がる。なお、旧アトリエは金工・木工の工房として使用。

こうしてアトリエCOMは生徒の成長と共にクラスの増設をくり返し成長し、指導内容も多様化して今日に至っている。

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