通勤
いよいよ作品展まで二ヶ月をきった。一分でも時間が欲しいところだが、ここのところ仕事場に行くのに30分くらいかけている。別に仕事場を移したわけではない。仕事場はあいかわらず自宅にあり所要時間は0分なのだが、この5月から直接仕事場に行かずに、まず駒沢公園を一周してから仕事場に入ることにした。だから仕事場は通勤時間30分のところにあるのと同じことになった。なにせ仕事場に入ると、ほとんど座りっきりで仕事を続けてしまうので、運動不足解消のためである。
いざ始めてみるとこの通勤、なかなか良い。適当な運動が体を活性化してくれ、気分爽快で仕事にかかれる。また、季節の移ろいを五感で感じるため、感性が磨かれている気分にもなってくる。こんな快適な通勤に、何で今まで気が付かなかったのだろうとしきりに思う反面、まだ体の動くうちに気が付いてよかったとも思う。
振り返ってみるに、駒沢公園の近くに住んで40年近くなるが、公園にはいつもお世話になっている。子育ての最中は公園に行くことが日課という生活だったし、子どもの自転車の練習も凧揚げも雪合戦もみんな公園でやった。公園のヤマモモの実できれいな色のジュースを作ったり、銀杏をたくさん拾ったりと、食の面でもお世話になった。
この年になってまたもや公園のお世話になろうとは思わなかったが、公園はどの世代にとってもいいものだ。そのうち、介護の方と一緒に歩いたり、車椅子で来たりとかするのだろうか。己のこれからの姿を想像しながら歩くのも悪くない。
歩き始めて4ヶ月。欅も、若葉から濃い緑にかわり、そろそろ色付く準備を始めている。
軽い気持ちで始めた通勤ではあるが、今では私の大切な時間となっている。